2016年[ 科学教育振興助成 ] 成果報告

能登町海洋教育推進プログラム

実施担当者

三井 松夫

所属:能登町教育委員会事務局 次長

概要

1.はじめに

能登町教育委員会では、教育課程特例校の申請を行った小学校中心に、小学校における海洋教育の教科化にむけた体系的なカリキュラムを構築しようとしている。中学校においても、中長期的な視野に立ち一体的なプログラムを実施し、小中一貰した体系的・系統的な海洋教育の推進に取り組んでいる。
2年日となる今年度は、町内の全ての小中学校(小学校5校、中学校4校)の総合的な学習の時間において、教科横断的な視点を持った単元を計画し実践した。
実践に当たって、地域の自然、施設や人材を活用した体験活動の充実とその前後の言語活動を大切にすることを共通理解した。各学校は、独自性を生かした取組みを計画、実施することで、教員の意識や指導力を向上させ、児童生徒の科学に対する腿味?関心を高め、論理的思考力や創造性を育んでいく。

2.本年度の実践

(1)外部講師(専門家)による特別授業専門家による授業を行い、科学に対する生徒の
(2)地域の施設、人材による体験活動等体験活動とその前後の言語活動を充実させ、郷上の良さを再確認するとともに、論理的思考力や創造力を育む。
3)教育課程特例校の取組推進
教育課程特例校の認定を受けている小木小学校では5、6学年に「里海科」を設け、海に関する体験活動や地域行事への積極的な参加を教育活動に組み入れている。本プログラムを活用することで全学年に幅広く海洋教育を実施し、地域教材の開発を進めた。

(4)海洋教育サミット視察研修

全国各地の海洋教育の取り組み状況について把握・情報交換を行った。

3.まとめ

今年度、町内全ての小中学校の総合的な学習の時間において、海洋教育を本格的にスタートさせた。昨年度の反省から、天候により左右される体験活動の計画は代替の活動を準備し柔軟に対応して実施した。どの学校においても、児童生徒の海洋に関する興味や学習の意欲に向上が見られた。地域の施設や人材を積極的に活用したことは、地域の一員として郷土に対する愛着を深めた。しかし、体験活動の充実に比べ、教科との関連や前後の言語活動がやや形式的であった。教員からは、授業の目的に合った活動メニューの構築や学校と施設・人材をつなぐため、海洋教育担当のコーディネーターの必要性について意見があった。体験活動と言語活動を一つの単元計画として整理し、どこの学校でも、どの教員でも実施可能な単元計画(授業)にすることが大切である。今後とも、各学校の実践内容について、交流会やカリキュラム・マネジメントを積極的に行い、質の向上に努めていきたい。