2014年[ 科学教育振興助成 ] 成果報告
科学を楽しむ生徒の育成 ～ ミニ天体観察会を通して ～
概要
1.はじめに
本校の生徒は，毎日の理科の授業に積極的に取り組み科学に対する興味関心も高い。日々の授業では，できるだけ実験観察を丁寧に扱い，生徒の興味関心を高める努力をしてきた。
天体に関する学習は３年生で取り扱うが，これまでの授業では写真やＤＶＤ教材を利用して学習を進めてきた。本校では使用できる天体望遠鏡が無く，実際に天体望遠鏡を通して星空を観察させることができないのが現状であった。
天体観察会を開催したいとも考えたが，大規模校であるがゆえに機材も多く集めなければならない。また，夜間の開催となれば防犯・生徒指導に関することでも解決しなければならない問題が多く，学区も広いため夜間に集まることができる生徒は限られる。天体観察は天候に左右されるため，せっかく企画してもその日に開催できないことも多い。
そこで，生徒が部活を終了して下校するまでの間の１５～２０分を利用して「ミニ天体観察会」を何度か開催することにより，上記の問題が解決できると考えた。
下校時刻までの短い時間を利用することにより，夜間に生徒を集めなくても天体観測ができる。その日の天候を見て開催するかしないかを決定できる。「今日は月のクレーター」「今日は金星の観察」といったように，その日によってポイントを絞った観察ができる。このように，ミニ天体観察会であれば，大規模校である本校でも無理なく開催でき，観察会を通して，より科学に対する興味・関心を高めることができると期待して本研究に取り組んだ。
２．ミニ天体観察会の実施
【第１回観察会】１１月２８日
・曇りのため，観察会は中止。
【第２回観察会】１２月３日
・望遠鏡は設置したが，雲が多く満足のいく観察はできなかった。
【第３回観察会】１２月５日
・月のクレーターの観察①
風が強かったが，雲の合間から時折のぞく月のクレーターを観察することができた。
【第４回観察会】１月２８日
・月のクレーターの観察②
天体望遠鏡・・・月のクレーターの観察双眼鏡・・・プレアデス星団の観察
【第５回観察会】１月３０日
・オリオン大星雲の観察科学部の生徒のみの観察
【第６回観察会】２月２７日
・金星と木星の観察
【第７回観察会】３月２日
・夕方の月の観察
夕暮れの時刻が遅くなり，まだ明るい中での月の観察であったが，十分にクレーターを観察することができた。
３．生徒の感想から
・初めて天体望遠鏡をのぞきました。
月のクレーターが写真で見るのと同じようにきれいに見えたのでびっくりしました。
・部活がおわってみんなが集まっているので行ってみたら，天体望遠鏡で月を見ていました。もっと時間があればいっぱい見れたのに残念。
・「すばる」とってもきれいでした。また，見せてください。
・科学部で模造紙に案内のポスターを描きました。部活帰りの友達がたくさん集まってくれたのでうれしかったです。
・金星がとてもきれいに輝いていました。金星は満ち欠けすると聞いていましたが，なんとなく欠けているのかな？という感じでした。
・木星に衛星があるなんて初めて知りました。先生の話によると，あの有名なガリレオは，木星の観察を通して地動説を考えたそうです。ガリレオが見た衛星を僕も見られたので，なんだか不思議な感じがしました。
・木星の縞模様が見えました。家にある天体望遠鏡では縞模様は見えないので，高性能の望遠鏡がほしくなりました。
４．成果と課題
今回は「科学を楽しむ生徒の育成～ミニ天体観察会を通して～」ということ活動で取り組んだ。下校時刻を利用しての短時間での観察会であったが，生徒の興味関心を高めることができた。
月のクレーターなどは，どの生徒も写真などでは見たことがあるが，やはり実際の望遠鏡を通してみるクレーターには，みな驚きの声を上げていた。７回計画したうちの３回は天候に恵まれず，十分な観察ができなかった。天体観察は，当日の天気に左右されるので，大々的に人を集めての１日限りの観察会では，観察できないで終わってしまう恐れもある。その点，下校時刻を利用してのミニ天体観察会ならば「また，今度。」というように，気軽に延期ができる。大規模校で学区の広い本校では，ミニ天体観察会が有効であった。
３月に入り，日暮れの時刻が遅くなりかなり明るいなかでの観察会でも月のクレーターなら十分に観察することができた。
今回は，星座パネルも作成したが，実際の観察会では利用しなかった。来年度以降，授業や観察会ではぜひ利用したい。
謝辞
今年度「科学を楽しむ生徒の育成～ミニ天体観察会を通して～」ということで活動しました。活動にあたり公益財団法人中谷医工計測技術振興財団様より多大な助成金をいただき，天体観測に使う機材を購入することができましたことを深く感謝致します。今年度だけの活動に終わることなく，次年度以降も引き続きミニ天体観測会を開催し，機材を有効に活用させていただきます。ありがとうございました。
本校の生徒は，毎日の理科の授業に積極的に取り組み科学に対する興味関心も高い。日々の授業では，できるだけ実験観察を丁寧に扱い，生徒の興味関心を高める努力をしてきた。
天体に関する学習は３年生で取り扱うが，これまでの授業では写真やＤＶＤ教材を利用して学習を進めてきた。本校では使用できる天体望遠鏡が無く，実際に天体望遠鏡を通して星空を観察させることができないのが現状であった。
天体観察会を開催したいとも考えたが，大規模校であるがゆえに機材も多く集めなければならない。また，夜間の開催となれば防犯・生徒指導に関することでも解決しなければならない問題が多く，学区も広いため夜間に集まることができる生徒は限られる。天体観察は天候に左右されるため，せっかく企画してもその日に開催できないことも多い。
そこで，生徒が部活を終了して下校するまでの間の１５～２０分を利用して「ミニ天体観察会」を何度か開催することにより，上記の問題が解決できると考えた。
下校時刻までの短い時間を利用することにより，夜間に生徒を集めなくても天体観測ができる。その日の天候を見て開催するかしないかを決定できる。「今日は月のクレーター」「今日は金星の観察」といったように，その日によってポイントを絞った観察ができる。このように，ミニ天体観察会であれば，大規模校である本校でも無理なく開催でき，観察会を通して，より科学に対する興味・関心を高めることができると期待して本研究に取り組んだ。
２．ミニ天体観察会の実施
【第１回観察会】１１月２８日
・曇りのため，観察会は中止。
【第２回観察会】１２月３日
・望遠鏡は設置したが，雲が多く満足のいく観察はできなかった。
【第３回観察会】１２月５日
・月のクレーターの観察①
風が強かったが，雲の合間から時折のぞく月のクレーターを観察することができた。
【第４回観察会】１月２８日
・月のクレーターの観察②
天体望遠鏡・・・月のクレーターの観察双眼鏡・・・プレアデス星団の観察
【第５回観察会】１月３０日
・オリオン大星雲の観察科学部の生徒のみの観察
【第６回観察会】２月２７日
・金星と木星の観察
【第７回観察会】３月２日
・夕方の月の観察
夕暮れの時刻が遅くなり，まだ明るい中での月の観察であったが，十分にクレーターを観察することができた。
３．生徒の感想から
・初めて天体望遠鏡をのぞきました。
月のクレーターが写真で見るのと同じようにきれいに見えたのでびっくりしました。
・部活がおわってみんなが集まっているので行ってみたら，天体望遠鏡で月を見ていました。もっと時間があればいっぱい見れたのに残念。
・「すばる」とってもきれいでした。また，見せてください。
・科学部で模造紙に案内のポスターを描きました。部活帰りの友達がたくさん集まってくれたのでうれしかったです。
・金星がとてもきれいに輝いていました。金星は満ち欠けすると聞いていましたが，なんとなく欠けているのかな？という感じでした。
・木星に衛星があるなんて初めて知りました。先生の話によると，あの有名なガリレオは，木星の観察を通して地動説を考えたそうです。ガリレオが見た衛星を僕も見られたので，なんだか不思議な感じがしました。
・木星の縞模様が見えました。家にある天体望遠鏡では縞模様は見えないので，高性能の望遠鏡がほしくなりました。
４．成果と課題
今回は「科学を楽しむ生徒の育成～ミニ天体観察会を通して～」ということ活動で取り組んだ。下校時刻を利用しての短時間での観察会であったが，生徒の興味関心を高めることができた。
月のクレーターなどは，どの生徒も写真などでは見たことがあるが，やはり実際の望遠鏡を通してみるクレーターには，みな驚きの声を上げていた。７回計画したうちの３回は天候に恵まれず，十分な観察ができなかった。天体観察は，当日の天気に左右されるので，大々的に人を集めての１日限りの観察会では，観察できないで終わってしまう恐れもある。その点，下校時刻を利用してのミニ天体観察会ならば「また，今度。」というように，気軽に延期ができる。大規模校で学区の広い本校では，ミニ天体観察会が有効であった。
３月に入り，日暮れの時刻が遅くなりかなり明るいなかでの観察会でも月のクレーターなら十分に観察することができた。
今回は，星座パネルも作成したが，実際の観察会では利用しなかった。来年度以降，授業や観察会ではぜひ利用したい。
謝辞
今年度「科学を楽しむ生徒の育成～ミニ天体観察会を通して～」ということで活動しました。活動にあたり公益財団法人中谷医工計測技術振興財団様より多大な助成金をいただき，天体観測に使う機材を購入することができましたことを深く感謝致します。今年度だけの活動に終わることなく，次年度以降も引き続きミニ天体観測会を開催し，機材を有効に活用させていただきます。ありがとうございました。