1988年[ 技術開発研究助成 ] 成果報告 : 年報第02号

水晶体混濁度測定装置の研究開発

研究責任者

高橋 隆

所属:東海大学 医学部 教授

京都大学医学部 教授

共同研究者

長沢 亨

所属:東海大学 医学部 助手

共同研究者

尾羽沢 大

所属:東海大学 医学部  教授

概要

1.はじめに
水晶体の混濁,いわゆる「白内障」に関する概念は古く,Duke-Elderによれば四千年以上の歴史があり,すでにローマ時代の成書にはその病理や治療法についての記載がなされているとの事である。以来,本疾患の診断や分類法について多くの研究がなされ,報告されている。しかし白内障の病因に関してはまだ定かではなく,様々な要因が検討されている段階であり,原因治療はないのが現状である。現在,水晶体混濁を治療させる薬はないが,進行を遅くする薬剤としていくつかの内服薬と点眼薬が用いられている。
水晶体は一見して透明な組織であるが,細隙灯顕微鏡などで詳細に観察すると,青みを帯びた,びまん性の薄い混濁がある。高齢者では,黄色から褐色を帯びた色調になり,小点状の細かい混濁の散在することが多い。したがって正常な水晶体混濁と異常な水晶体混濁の厳密な定義は難しい。またどの時点で白内障の発症とするかも明確ではない。しかし,異常混濁では特徴的な混濁の形を示すことが多く,部位や形状にかかわらず,いずれは進行して拡大変化するものが多いので,白内障の診断自体は通常容易につけることができる。ところが白内障の診断基準は全国的に未だ統一されておらず,医師の主観によるため客観性に欠けている。
これまで定量化の試みとして,東海大学の河原・尾羽沢らは徹照写真を使って老人性白内障の長期経過の定量的解析について報告している。京都府立医大の宣沢・森川・糸井らは水晶体混濁のデジタル処理の試みがある。それは,一度徹照写真を撮り,さらにもう一度ビデオ撮りして,それをデジタル画像としてコンピュータに取り込み混濁度を測定するものである。これらの何れもin vitroでの処理であり,写真の現像焼き付けを経るため再現性に欠け時間がかかる。また,中谷・吉村らは白内障を事前に予知する検査装置を開発している。これは水晶体にレーザー光を照射し,その散乱光で白内障を予知するものである。この検査は散乱光の揺らぎからタンパク粒子の多きさを推定するものでミクロン単位の変化を捉えることができる。しかし,混濁の形や大きさを捉えるものではない。フォトスリットランプで撮ったときの写真は,スリット光の場所によって見える像が違ってくるが,徹照写真の場合は水晶体全体を一度に見ることができるため,混濁の形の進行を追跡するのに適している。また水晶体の混濁の形や部位と進行度の間には,かなり関係があることが知られており,それゆえ混濁の形や部位は重要な因子となる。
本論文では,散瞳下に行うカタラクトカメラを用いた徹照法によって得られる水晶体内の陰影を実時間で高感度カメラを使ってコンピュータにデジタル画像として取り込み,画像処理手法により混濁度を濃度とそのパターンから客観的・定量的に測定する装置について報告する。第2章ではハードウェア構成について,3章ではソフトウエアについて,4章では処理の流について,5章ではシェーデング補正について,6章では水晶体の輪郭抽出について,7章では実際の処理結果について各々述べる。
2.ハードウェア構成
図1にシステム構成を示す。左端の光学系はナイツ社製カタラクトカメラCT-Rで,登頂部のストロボカメラ装着部を改造し,ナショナル製の高感度TV一カメラWV-1550(最低照度0.3ルクス,水平解像度650本以上,サンプリングレイト1/60秒)を光軸と焦点を調整して装着した。TV一カメラの光学像を画像入力装置内(三谷社製IFM/PC)に取り込む画像メモリは縦256x横256である。この画像メモリはA・B2枚分あり,どちらの画像メモリに画像を取り込むかは全く任意である。画像を撮る操作はカメラで撮る場合と同様にスコープで水晶体を覗きながら,焦点を合わせ写真を撮るときと同じように適当な時点で画像を固定(ホールド)すれば良い。一画素当たりの濃度分解能は8ビット即ち256階調である。したがって画像メモリは1枚当たり256x256x8として64Kバイトあり,A,B2枚分合計128Kバイトである。各画素の上位2ビットは文字やカーソルの表示に使われるため,実際の濃度分解能は64階調(6ビット)である。この画像メモリA,Bいつれかの内容は常に白黒モニターに表示されている。またこのA,B画像メモリはバーソナルコンピュータNECPC9801の主メモリ空間の一部を構成しているため,1/0方式と比較して,画像処理の高速化が計られている。カラーディスプレイは作業の手順や処理結果を表示するもので,メニュー方式により項目を番号やマウス等で選択することによりルーチン作業を進める。プリンタは処理結果や処理画像の出力用である。
3.ソフトウェア
本システムの画像処理ソフトウェアは,処理の自動化を計ったルーチンワークとすべて手作業で行うマニュアルワークの2つからなる。コマンドは約80あり,マクロ機能により複数の処理を連続して行うことが出来る。機能で分類すると
(1)画像入力装置操作
(2)画像の論理演算
(3)各種フィルタ操作
(4)輪郭推定,面積計算
(5)自動2値化,細線化
(6)各種画像表示(疑似カラー,眺観図)
(7)アフィン変換,フーリエ変換
(8)フアイル操作
(9)シェーディング補正
(10)画像の回転,部分コピー
(11)画像のハードコピー
(12)その他
である。これらの機能のすべてが白内障画像処理のために常に必要な訳ではない。しかし,各々の装置の違いや撮影時の設定条件などの違いにより得られる画像は様々であり,一定していないため,それらのすべての画像を処理できるものではないが,可能な限り様々な条件の画像に対処できるよう考慮した。図2に作業選択メニュー,図3~5に手作業メニュー画面を示す。なお,開発言語はFORTRANとアセンブラ言語である。
4.混濁測定の処理の流れ
図6に処理の流を示す。処理の流に沿って簡単に説明する。患者画像の取り込みは,通常の検査時に写真を撮る場合と変わりなくビューアで観察し,焦点を合わせてシャッターを押すように画像を固定すればよい。画像を入力装置(IFM/PC)に取り込んだ後,まずメジアンフィルタ処理を行い突発的なノイズを除去する。つぎにシェーディングの補正を行う,詳しくは後で述べるが,光源,光学フィルタ,レンズ,カメラのアパチャなどの影響による明るさの"むら"を取り除く。それにより,水晶体の輪郭や濁りなどを精度良く推定することが可能となる。つぎに以後の処理対象を水晶体のみにするため水晶体の輪郭を推定し,水晶体のみを抽出する。抽出方法の詳細は後章で述べる。そして,混濁の度合(光の通り易い明るい部分と濁りの暗い部分の比率)を求める。この混濁のしきい値は,医師が指示する方法をとっている。指示方法には2つある。1つは水晶体画像のヒストグラムをとり,そのヒストグラムを画面に表示する。そして,そのヒストグラム上で濃淡のしきい値をマウスを用いて指定する方法。もう1つは画像上のある部分を指定し,そのピクセルの濃度値を濃淡のしきい値として指定するものである。そして混濁度の計算結果と画像をプリントし,最後に原画像を計算結果と共にディスク保存して一連の作業を終了する。
5.シェーディング補正
カタラクトカメラで撮られた画像には,白内障による混濁以外の濃度むらがある。その原因は
①不均一な照明によるもの
②光学レンズによるもの
③光学フィルタによって生じるもの
④カメラの受光面(アパチャ)の感度むらによるもの
などである。実際に観測される画像はそのような様々な原因による"むら"が重畳されたものである。したがって,何等かの方法でこの光学系のさまざまな原因によるシェーディングを推定し,その画像を用いて補正し,シェーディングのない画像を求める必要がある。しかし,画像からそれぞれの原因によるシェーディングの成分を正確に推定し,分離することはほとんど不可能である。そこで,本システムでは,さまざまな原因によるシェーディングを一まとめに考え補正する方法を取っている。
本システムの補正処理は,まず均一な反射面を持つ参照反射板を用いて画像をシメージメモリに取り込み,それをシェーディングパターンとして言引意する。すなわち,そのとき記録される画像はシェーディングがなければ,フラットな画像であり,フラットでなければシェーディングがあることがわかる。したがって,実際の画像からこのシェーディングパターンを差し引くことでシェーディングを取り除くものである。シェーディングパターンを作成する際には数画面の加算平均とメジアンフィルタ処理を行い,統計的なノイズと突発的なノイズを除去する。そして,参照板の画像を引く前に,参照板画像の最小値を求めそれが0になるように,すべての画素値から最小値を引き,その画像をシェーディング画像とする。もし,実際の画像からシェーディング・パターンを引いた値が負になる場合は,その値を0とする。これは,シェーディングは低周波成分から成るとの考えからである。このようなシェーディング補正は,一部ハードウェア化され,リアルタイムで補正できるものが市販されている。
6.水晶体部分の抽出
水晶体の混濁度を推定するためには,水晶体のみを抽出する必要がある。正常な患者から観測される水晶体はほぼ円に近いが,白内障による混濁が周辺から徐々に進行するような患者から得られる画像は,症状が進むにしたがい水晶体の輪郭が不明瞭になる。したがって,正確な混濁の程度を計算するためには,正常時の水晶体の輪郭を精度良く推定し,混濁度を計算する必要がある。本システムには,そのような白内障の症状が進み水晶体の輪郭が不明瞭になった画像の輪郭を推定するために,3方法を用意している。それは
(1)Hough変換による推定
(2)Bスプライン曲線による推定
(3)マニュアルによる指定
である。つぎに各々方法について説明する。
6.1Hough変換による輪郭推定
Hough変換は,画像を極座標に変換し,その上で直線や円,楕円などを推定するものである。簡単な例を示し,それを使って説明する。図7は原画像に2値化処理をし,微分して得られた画像とする。図8は図7の画像をHough(θ一ρ)空間に変換し,その点を結んだものである。X-Y座標上で真円の中心を原点にして,Hough変換を行うとHough空間では直線になる。ここで,θは原点とデータを結んだ直線がなす角度,ρは原点からデータまでの距離である。例えば,X-Y座標上の円形の一部が欠けている場合,Hough空間では直線の一部が欠けた結果が得られる。そこでHough空間上でデータから直線を求め,欠けた部分を推定する。そして,Hough空間からX-Y座標空間に逆変換することにより,欠けた部分のない円を得ることが出来る。しかし,実際の画像では,水晶体の中心に原点を常に設定できる訳ではないし,いびつな円を呈している。その場合Hough空間では曲線を描くから,直線推定ではまずい。そこで,本システムではHough空間の曲線推定に,フーリエ変換を用いた。その方法は,まず,Hough空間のデータをフーリエ変換を用いて周波数空間に変換し,ローパスフィルタ処理をした後,逆フーリエ変換をして,後はHough空間からX-Y座標に戻せばよい。
6.2Bスプライン曲線による輪郭推定
輪郭を推定するためにBスプラインを用いる方法に2つある。1つは,画像を2値化処理した後,微分処理し水晶体の輪郭を出す。そして,周囲から病状が進行する患者から得られる画像の輪郭は,多くの場合凹凸のあるぎざぎざな曲線を呈している。このぎざぎざな輪郭のデータに,Bスプライン曲線を当てはめ,求められた曲線を輪郭とするものである。2つ目は,Hough変換による輪郭推定の部分で,Hough空間上の曲線を推定するために,フーリエ変換を用いることを述べた。このフーリエ変換の代わりにBスプライン曲線を用いてHough空間上の曲線を推定するものである。Bスプラインは,Hough変換と比較してサンプル点(コントロール点)の依存度が高い。その場合,実際の輪郭とは少し離れた結果が得られる場合がある。
6.3マニュアルによる輪郭指定
6.1と6.2はいずれも自動的に輪郭を求めるものであるが,原画像の水晶体の輪郭部分が不明瞭で凹凸の起状が大きい場合には,完全自動輪郭推定は困難であり,実際の輪郭とは異なる部分を輪郭として推定してしまう場合がある。この場合にはマニュアルにより,正しい輪郭を指定し直す必要がある。マニュアル指定には2つの方法がある。1つは,輪郭と考えられる部分を原画像を見ながら,遂一マウスデバイスを用いて指定する方法である。2つ目は,水晶体がほぼ円に近いことを利用するもので,原画像の水晶体の上下左右の輪郭部分をマウスデバイスを用いて指定し,その4点のすべて通る円を求め,それを水晶体の輪郭とする方法である。
7.処理結果例
実際のデータを処理をした例について,処理の流に従って簡単に説明する。第9図はカタラクトカメラに取り込まれた画像であり,肉眼で見た画像とカメラで取り込んだ画像が左右反転しているため,画像を左右反転した後,シェーデイグ補正を行う。第10図がシェーディング補正後の画像である。つぎに2値化処理(図11)をした後,微分(図12)を取り,その輪郭に対してHough変換を行い,輪郭を求めたものが図13である。図13を用いて輪郭の内部を推定したものが図14である。この図14に示す画像と補正後の画像の倫理積を取った画像が図15である。水晶体のみのヒストグラムは,補正後の画像と図14の明るい部分の情報を用いて求める。図15は画面下に表示している濃度ヒストグラムを見ながらマウスを用いて,混濁のしきい値を指定しているところである。そして,図16は指定したしきい値で濃淡を分けた場合の輪郭を示し,しきい値が妥当であったかを確認する。図17は指定したしきい値を基に混濁度を計算した結果のCRT画面である。また,混濁と考えられる部分が混濁として認識されなかったり,正常部分が混濁として認識された場合には,図18に示すようにマウスを用いてマニュアルで修正することができる。最後に結果と画像をプリンタに出力し(図19),画像を圧縮セーブ(平均して約1/3になる)して一連の処理を終了する。
8.考察
開発の当初,CCDカメラを用いて撮った徹照画像のほぼ中央部に投影用ランプのフィラメント像が映るため,その像を除去するため様々な試みが行われた。このようなフィラメントの映り込みを除去するためにカタラクトカメラにはクロスにした変光フィルタが用いられている。しかし,それは角膜表面の可視光反射をカットするもので赤外域の光には効果がないことが分かった。そこで赤外線カットフィルタの使用,可視光高輝度LEDの使用,ストロボの使用などを試みた。赤外線カットフィルタは赤外線をカットするが同時に可視光も10%程度カットしてしまうため可視光の光量が落ちてしまう結果となった。LEDは点光源であり,同一面に複数個配置したが光量不足であった。ハロゲンランプを用いているストロボは,赤外域にも鋭いピークがあり,光源はやはり映り込んだ。最終的に,赤外にも感度の高いCCDカメラの使用を断念し,赤外線に感度の低い高感度TVカメラ(0.3ルクス)を用い,それに変光フィルタと赤外カットフィルタを併用することで解決した。光源には標準の白熱ランプを使用し,徹照法により画像を取り込んだところ,フィラメント像はほぼ完全に除去された。このTVカメラは,CCDカメラと比較して十倍の感度を持っているため,光源の光量を落としても明るく鮮明な画像が得られることが分かった。また光学系を用いてた画像を取り扱う上で逃れられない問題に画像のむら(シェーディング)がある。本システムでも例外ではない。実際に観測されるイメージIoは
真のイメージItを積S1や和S2の形の係数で線形変換されたものと考えられる。S1やS2は,前にも述べたように,光源,レンズ,偏光フィルタ,赤外カットフィルタ,TVカメラのアパチャの感度むらなどによるものである。しかし,各々がS1やS2に寄与する程度を推定し,補正することは殆ど不可能である。また,光源やアパチャの劣化もシェーディングとして現れてくる。それらを区別することもまた不可能である。
そこで,本システムでは,シェーディング補正を行うための一手法として,前章で述べたように参照板を用いている。この方法で求めたシェーデング補正画像は,当然真ではなく近以であり,各ピクセル値も相対的なものである。したがって,この補正画像を用いて補正を行った画像の各ピクセル値もまた相対値である。しかし,本システムで白内障の診断に用いようとしている値は,正常の部分と白内障による混濁の部分の面積比であるから,その値はシェーディングの直流成分が変化しても,相対的にしきい値は変化するが,その比の値には影響しない。
ところが,このような補正の方法では患者の病症の進行をパターンで追跡する場合に問題となる。たとえば,時間を隔てた二枚の画像の差を取り,進行パターンを見ようとした場合である。また,追跡調査を行い,患者の経時的な変化を捉えることもまた病状の規序を解明する上で重要である。そして,患者の病状の進行等を追うためには,カタラクトカメラの徹照法による水晶体の画像は毎回同じ方向から取ったものであることが望ましい。しかし,通常の検査では,顕微鏡の位置・焦点等は個々の医師や検査技師が行うため,毎回同じ方向から画像を得ることはかなり困難である。したがって,位置決め等を容易に行えるようにする必要がある。それと共に,現在行っているシェーディングの補正方法では,2枚の画像の簡単な差を取り,結果の画像が真であるという保証がない。ただし,この系のシェーディングが大きくは変化しないという仮定をおけば現システムでも処理可能である。
また,徹照画像を撮る場合,注意しなければならない点がある。それは
(1)まつげが映ってしまう場合
(2)角膜表面に塵がある場合
(3)瞳孔が十分開いていない場合
(4)瞼が瞳孔の部分まで降りてる場合
(5)混濁が進み光が通らない場合
などである。これらは画像を取り込んだ後,画像処理をすることによっては根本的に解決できない問題であり,取り込み時に注意して回避する必要がある。
9.まとめ
従来,カラタクトカメラを用いた徹照法による検査結果の保存や解析は写真を用いているため再現性に欠け,実時間では混濁度を測定できなかった。本装置による検査はin vivoであり,短時間(1-2分内)で測定可能である。検査手順はメニュー方式とし,可能なかぎり自動化を計り,初心者でも簡単に操作できるものとした。この装置の開発により,これまで医師の主観に頼っていた診断基準を客観化することが可能となる。また,再現性に優れ,混濁の進行過程の解析や薬効の評価・判定が容易となる。さらに画像は患者に関する様々な情報と共にフロッピー・ディスクに保存しておくことにより患者管理が可能である。また,画像の部分表示,拡大・縮小,強調,疑以カラー表示等が簡単に行えるため,微細な変化も容易に捉えられる可能性があり,患者のコンサルテーションにも威力を発揮するものと思われる。図19,20に疑以カラー表示と眺観図の例を示す。
ところで,日本における老人性白内障患者は100万~200万人と推定されており増加の傾向にある。老人・成人等の集団検診に本装置を利用し,白内障を早期発見することができれば,薬剤治療により5年,10年病状の進行を遅くしたり,手術を延期することができるため,社会的にも有意義と考えられる。白内障の混濁は部位や形状にかかわらず,いずれは進行・拡大するので早期発見は重要である。なお,現在臨床への応用を検証するため,実際のデータを対象に処理を行い,従来の方法と比較検討を進めている。