2009年[ 年報 ] : 年報23号

年報23号

中谷電子計測技術振興財団

概要

目次

設立の趣意
役員・評議員および事業の概要
平成20年度事業概要
Ⅰ 技術開発に対する助成事業
Ⅱ 調査研究に対する助成事業
Ⅲ 技術交流に関する支援事業
Ⅳ 電子計測技術に関する情報の収集及び提供
Ⅴ 表彰事業
平成20年度贈呈式
平成18年度(第23回)技術開発助成成果報告
平成20年度技術交流助成成果報告
技術開発に対する助成状況
調査研究に対する助成状況
技術交流に対する助成状況


設立の趣意

 わが国経済社会の高度化は、1970年代以降急速に進展しています。これは、わが国の唯一の資源でもある恵まれた頭脳資源を、十分に活用することで達成されたものです。特にコンピュータを始めとするエレクトロニクス技術の発展が重要な役割を果たしてきました。
 これらのエレクトロニクス技術の発展は、優れた電子計測技術の基盤の確立が無くしてはありえません。今後わが国のエレクトロニクス技術の一層の発展を実現する上で、電子計測技術基盤の一層の強化が大切であります。電子計測機器がエレクトロニクスのマザー・ツールであるといわれる所以でもあります。
 政府におかれましても、その重要性を十分認識され、電子計測技術基盤の確立のためいろいろな施策を展開されております。
 このような客観的諸情勢から東亞医用電子株式会社(現シスメックス株式会社)の創立者、故中谷太郎初代理事長は、電子計測技術の発展を推進し、産業基盤の確立に貢献することを強く念願され、昭和59年4月に財団法人「中谷電子計測技術振興財団」が設立されました。
 当財団は、技術開発・技術交流の推進、技術動向等の調査研究等を行うことにより、電子計測技術の基盤の確立に微力をつくす所存でございます。このような趣旨をご理解の上、当財団にご指導、ご協力を賜りますようお願い申し上げます。


設立年月日 昭和59年4月24日

役員
理事長
菅野剛史 浜松医科大学名誉教授

専務理事
家次恒 シスメックス株式会社代表取締役社長

理事
浅野茂隆 早稲田大学理工学術院教授 東京大学名誉教授
輕部征夫 東京工科大学学長 東京大学名誉教授
熊谷俊一 神戸大学大学院医学系研究科教授
中谷正
和歌光雄

監事
秋山純一 多摩大学名誉教授(公認会計士)
國生肇 國生肇弁護士事務所(弁護士)


評議員
川越裕也 東大阪市立中央病院名誉院長
齋藤正男 東京大学名誉教授
八幡義人 川崎医科大学名誉教授
戸川達男 早稲田大学人間総合研究センター客員研究員
渡辺清明 NPO法人東京臨床検査医学センター所長慶應義塾大学名誉教授
佐藤俊輔 藍野大学医療保険学部教授大阪大学名誉教授
雪本賢一 シスメックス株式会社取締役・専務執行役員
林正好 シスメックス株式会社取締役・常務執行役員


事業の概要
電子計測技術の発展を推進し、産業基盤の確立を図ることにより、わが国経済社会の発展および国民生活の向上に資することを目的として、次の事業を行います。
■電子計測技術分野における技術開発に対する助成
電子計測技術分野における先導的技術開発活動を促進するため、これに助成します。
■電子計測技術分野における技術動向等の調査研究に対する助成
電子計測技術分野の実態および種々の問題についての調査研究に対して助成します。
■電子計測技術分野における技術交流に関する支援
電子計測技術分野における技術の交流を推進するため、内外の研究者等の交流に対して支援します。
■電子計測技術分野に関する情報の収集及び提供
電子計測技術に関する情報文献、資料等を収集整理し、その広汎な利用を図るための種々の活動を行います。
■電子計測技術分野における技術開発に顕著な業績をあげた研究者の表彰
電子計測技術分野における技術開発の飛躍的な発展を期して、顕著な業績をあげた研究者の表彰を行います。

特定公益増進法人 当財団は2009年2月に経済産業大臣より「特定公益増進法人」の認定を受けています。


平成20年度事業概要
 我が国の経済は、世界的な経済悪化の中で、これまでにない不況状態となっております。また社会の構造的な問題として、少子化や高齢化、そして階層化の拡大など、大きな課題も多く、閉そく感がただよっています。このような状況に対応していくためには、経済社会全体の拡大と変革を同時に達成していくことが必要ですし、そのためにも、新たな先導的産業を創出する科学技術の促進は、ますますその重要性が増してきております。中でも、各種産業の共通的基盤技術である電子計測技術の促進は大変重要であります。
 このため、財団法人中谷電子計測技術振興財団は、創立以来、電子計測技術分野における先導的技術開発、技術の交流等を促進するための助成事業、支援事業等を実施してきており、平成20年度においても次の諸事業を実施いたしました。

Ⅰ.技術開発に対する助成事業
 電子計測技術は共通的基盤技術であって、先導的技術開発を促進することは極めて重要であります。
その電子計測技術に対する技術開発助成事業は、当財団の中核事業であり、本年度もこの事業に力点を置いて実施しました。

1. 募集
 電子計測技術は極めて広汎な分野に亘りますが、健康で明るい人間社会を築くために重要な役割を果たすと考えられる技術開発分野として、理・工学と医学・生物学の境界領域にあり、学際的研究として社会的ニーズが高まっております「生体に関する電子計測技術」を対象研究課題として、大学およびこれに準ずる研究機関に対して助成対象研究テーマの募集を行いました。また、前年度と同様、文書送付により募集案内を行ったほか、当財団のホームページに募集案内を掲載するなど、広範な方々へ募集内容が周知されるよう努めました。

2. 審査
 財団法人中谷電子計測技術振興財団内に設置した審査委員会(鈴木良次委員長他7名で構成)の委員により、各大学等から応募のあった22件(開発研究16件、奨励研究6件)の研究テーマに対して、公正にして厳密なる審査を実施し、電子計測技術の先導的技術開発に寄与するものと考えられる13件(開発研究8件、奨励研究5件)を選出いたしました。

3. 技術開発研究助成金の贈呈式
 審査委員会において選出された研究テーマについて、次頁の13名の研究者に対して、平成21年2月27日(金)世界貿易センタービル浜松町東京會舘において技術開発助成金(総額1,800万円)の贈呈式を行うとともに、各研究者による研究計画内容の発表を実施いたしました。


第25回(平成20年度)技術開発助成金贈呈者(敬称略・順不同)

開発研究助成
(注:表/PDFに記載)

奨励研究助成
(注:表/PDFに記載)


Ⅱ.調査研究に対する助成事業
 生体に関する電子計測技術分野には様々な課題が存在しており、その調査研究を実施して得た成果を広く社会で活用するための助成事業は重要な意義を有しております。下記の研究は平成20年度から実施することになりましたが、予算措置の関係で贈呈式では平成21年度の助成金を授与しました。

(注:表/PDFに記載)


Ⅲ.技術交流に関する支援事業
 近年におけるナノテクノロジーやバイオテクノロジーなどの発展に伴って、技術開発研究を行う場合に関係する学術領域は益々複雑多様化しつつあり、内外における研究者の技術交流を推進する重要性が増してきております。平成20年度は、技術交流に関して以下の事業について助成を行いました。

1.派遣
(注:表/PDFに記載)

2.招聘
(注:表/PDFに記載)

3.会議等
(注:表/PDFに記載)


Ⅳ.電子計測技術に関する情報の収集及び提供
 生体に関する電子計測技術関連の情報について広汎な利用をはかるため、当財団の研究助成事業および技術交流事業による成果等、財団の事業活動を取りまとめて年報を作成し、広く関係機関に提供しました。


Ⅴ.表彰事業
 生体に関する電子計測技術分野における技術開発の飛躍的な発展を期し、顕著な業績をあげた研究者の功績を讃えることを目的とした中谷賞を新たに設け、その対象者を公募した結果6名の推薦を受け、厳正に審査を行って表彰候補者を決定し、贈呈式にて第1回中谷賞を授与いたしました。

(注:表/PDFに記載)


平成20年度贈呈式
(注:写真/PDFに記載)


贈呈書の授与
(注:写真/PDFに記載)


研究の発表
(注:写真/PDFに記載)


記念懇親会
(注:写真/PDFに記載)


平成18年度(第23回)
技術開発助成研究成果報告

1.耐ノイズ性を考慮した高精度な表面筋電位計測システムの研究(公立はこだて未来大学 戸田真志)
2.磁気トルク負荷を用いた細胞活性の低侵襲診断法の開発(千葉大学 岩坂正和)
3.圧電マイクロ3次元振動デバイスによる生体細胞の内部ストレス計測と損傷治療法(山形大学 小沢田正)
4.real-timePCR法を用いた迅速な敗血症起因菌同定システムの構築に関する研究(富山大学附属病院 仁井見英樹)
5.超音波による組織粘弾性3Dマイクロスコープの開発(筑波大学大学院 椎名毅)
6.マイクロ波イメージングによる初期乳癌検診法の確立(静岡大学 桑原義彦)
7.インピーダンス測定法を用いた新しい骨癒合判定法の確立と携帯型測定器の開発(京都府立医科大学大学院 金郁喆)
8.MRIを用いた生体インピーダンスの非侵襲・高分解能画像計測(東京大学大学院 関野正樹)
9.SPring-8放射光を用いた小動物用4次元CTシステムの開発(理化学研究所 世良俊博)
10.レーザー変位計を用いた皮膚表面振動測定による力調節能力評価(大分県立看護科学大学 吉武康栄)
11.医用材料の迅速評価に用いる表面因子アレイチップの作製とその測定システムの開発(広島大学大学院 平田伊佐雄)
12.磁性フラーレンとデンドリマーポルフィリンの複合化による高機能MRI造影剤の設計(東京大学大学院 田代健太郎)
13.ウエアラブル化学センサを用いた非侵襲生体情報モニタリングに関する研究(東京医科歯科大学 工藤寛之)


技術開発に対する助成状況(金額単位:万円)
第1回(昭和59年度)技術開発助成対象
(注:表/PDFに記載)

第2回(昭和60年度)技術開発助成対象
(注:表/PDFに記載)

第3回(昭和61年度)技術開発助成対象
(注:表/PDFに記載)

第4回(昭和62年度)技術開発助成対象
(注:表/PDFに記載)

第5回(昭和63年度)技術開発助成対象
(注:表/PDFに記載)

第6回(平成元年度)技術開発助成対象
(注:表/PDFに記載)

第7回(平成2年度)技術開発助成対象
(注:表/PDFに記載)

第8回(平成3年度)技術開発助成対象
(注:表/PDFに記載)

第9回(平成4年度)技術開発助成対象
(注:表/PDFに記載)

第10回(平成5年度)技術開発助成対象
(注:表/PDFに記載)

第11回(平成6年度)技術開発助成対象
(注:表/PDFに記載)

第12回(平成7年度)技術開発助成対象
(注:表/PDFに記載)

第13回(平成8年度)技術開発助成対象
(注:表/PDFに記載)

第14回(平成9年度)技術開発助成対象
(注:表/PDFに記載)

第15回(平成10年度)技術開発助成対象
(注:表/PDFに記載)

第16回(平成11年度)技術開発助成対象
(注:表/PDFに記載)

第17回(平成12年度)技術開発助成対象
(注:表/PDFに記載)

第18回(平成13年度)技術開発助成対象
(注:表/PDFに記載)

第19回(平成14年度)技術開発助成対象
(注:表/PDFに記載)

第20回(平成15年度)技術開発助成対象
(注:表/PDFに記載)

第21回(平成16年度)技術開発助成対象
(注:表/PDFに記載)

第22回(平成17年度)技術開発助成対象
(注:表/PDFに記載)

第23回(平成18年度)技術開発助成対象
(注:表/PDFに記載)

第24回(平成19年度)技術開発助成対象
(注:表/PDFに記載)

年度 贈呈式年月日 助成件数 助成金総額
昭和59年度 昭和60年2月28日 6件 1,600万円
昭和60年度 昭和61年2月25日 9件 2,100万円
昭和61年度 昭和62年2月27日 9件 2,050万円
昭和62年度 昭和63年2月26日 9件 1,950万円
昭和63年度 平成元年3月10日 8件 1,880万円
平成元年度 平成2年2月23日 10件 2,110万円
平成2年度 平成3年2月22日 10件 2,010万円
平成3年度 平成4年2月28日 12件 2,430万円
平成4年度 平成5年2月26日 10件 1,930万円
平成5年度 平成6年2月25日 11件 2,100万円
平成6年度 平成7年3月24日 11件 2,160万円
平成7年度 平成8年2月23日 9件 1,820万円
平成8年度 平成9年2月28日 10件 1,920万円
平成9年度 平成10年2月27日 10件 1,670万円
平成10年度 平成11年2月26日 10件 1,700万円
平成11年度 平成12年2月25日 10件 1,780万円
平成12年度 平成13年2月23日 9件 1,800万円
平成13年度 平成14年2月22日 11件 1,980万円
平成14年度 平成15年2月21日 10件 1,970万円
平成15年度 平成16年2月27日 10件 2,000万円
平成16年度 平成17年2月25日 10件 2,000万円
平成17年度 平成18年2月23日 13件 2,000万円
平成18年度 平成19年2月23日 13件 1,968万円
平成19年度 平成20年2月29日 11件 1,753万円
平成20年度 平成21年2月27日 13件 1,800万円
累計 243件 48,481万円


調査研究に対する助成状況
昭和61年度調査研究助成対象
(注:表/PDFに記載)

平成2年度調査研究助成対象
(注:表/PDFに記載)

平成14年度調査研究助成対象
(注:表/PDFに記載)


技術交流に関する助成状況
1.派遣
昭和60年度技術交流(派遣)助成対象
(注:表/PDFに記載)

昭和61年度技術交流(派遣)助成対象
(注:表/PDFに記載)

昭和62年度技術交流(派遣)助成対象
(注:表/PDFに記載)

昭和63年度技術交流(派遣)助成対象
(注:表/PDFに記載)

平成元年度技術交流(派遣)助成対象
(注:表/PDFに記載)

平成2年度技術交流(派遣)助成対象
(注:表/PDFに記載)

平成3年度技術交流(派遣)助成対象
(注:表/PDFに記載)

平成4年度技術交流(派遣)助成対象
(注:表/PDFに記載)

平成5年度技術交流(派遣)助成対象
(注:表/PDFに記載)

平成6年度技術交流(派遣)助成対象
(注:表/PDFに記載)

平成7年度技術交流(派遣)助成対象
(注:表/PDFに記載)

平成8年度技術交流(派遣)助成対象
(注:表/PDFに記載)

平成9年度技術交流(派遣)助成対象
(注:表/PDFに記載)

平成10年度技術交流(派遣)助成対象
(注:表/PDFに記載)

平成11年度技術交流(派遣)助成対象
(注:表/PDFに記載)

平成12年度技術交流(派遣)助成対象
(注:表/PDFに記載)

平成13年度技術交流(派遣)助成対象
(注:表/PDFに記載)

平成14年度技術交流(派遣)助成対象
(注:表/PDFに記載)

平成15年度技術交流(派遣)助成対象
(注:表/PDFに記載)

平成16年度技術交流(派遣)助成対象
(注:表/PDFに記載)

平成17年度技術交流(派遣)助成対象
(注:表/PDFに記載)

平成18年度技術交流(派遣)助成対象
(注:表/PDFに記載)

2. 招聘
昭和60年度技術交流(招聘)助成対象
(注:表/PDFに記載)

平成12年度技術交流(招聘)助成対象
(注:表/PDFに記載)

平成13年度技術交流(招聘)助成対象
(注:表/PDFに記載)

平成14年度技術交流(招聘)助成対象
(注:表/PDFに記載)

平成16年度技術交流(招聘)助成対象
(注:表/PDFに記載)

平成18年度技術交流(招聘)助成対象
(注:表/PDFに記載)

3. 会議等
昭和62年度技術交流(会議等)助成対象
(注:表/PDFに記載)

平成2年度技術交流(会議等)助成対象
(注:表/PDFに記載)

平成13年度技術交流(会議等)助成対象
(注:表/PDFに記載)

平成14年度技術交流(会議等)助成対象
(注:表/PDFに記載)

平成15年度技術交流(会議等)助成対象
(注:表/PDFに記載)

平成17年度技術交流(会議等)助成対象
(注:表/PDFに記載)

平成18年度技術交流(会議等)助成対象
(注:表/PDFに記載)

平成19年度技術交流(会議等)助成対象
(注:表/PDFに記載)