2017年[ 技術交流助成 (海外派遣) ] 成果報告 : 年報30号補刷

平成28年度 技術交流助成成果報告(海外派遣)・伊藤 建一

研究責任者

伊藤 建一

所属:新潟工科大学 工学部 情報電子工学科 准教授

概要

会議等名称 38th Annual International Conference of the IEEE Engineering in Medicine and Biology Society (EMBC’16)
開 催 地 Disney’s Contemporary Resort 、 Lake Buena Vista (Orlando) 、 Florida USA
時 期 平成 28 年 8 月 16 日~8 月 21 日


1)会議又は集会の概要
国際会議 EMBC’16 は、アメリカの学会 IEEE の Medicine and Biology Society が主催する生体医工学系の研究集会で、毎年定期的に開催されています。隔年でアメリカ国外でも開催され、何度か日本でも開催されています。生体医工学系の最大規模の国際会議で、毎回 2,500 件を超える投稿があります。発表数が多いだけでなく、査読も厳密に行われており、各発表のクオリティが高く保たれているのが特徴です。
今回の会議の全体テーマは「Empowering Individual Healthcare Decisions through Technology」であり、生体医工学の高度な技術を通じて個人のヘルスケア決定を促進することに焦点を当てています。会議のプログラムは、知名度の高い本会議/基調講演、シンポジウム、ワークショップ、招待セッション、 口頭およびポスターセッション、展示会で構成され、内容も大変充実したものとなっています。

2)会議の研究テーマとその討論内容
今回の国際会議では、” Signal Path-Loss Simulation for Galvanic-Coupling Intra-Body Communication that Uses Insulating Electrodes at the Transmitting and Receiving Sides”というタ イトルで、19 日午後のポスターセッションPoster Session III の中の” Biomedical Sensors and Wearable Systems ”で発表を行いました。写真1にポスター会場の様子を示します。研究内容は、電流方式人体通信システムの信号伝送損失特性の評価です。比較的多くの研究者から興味を持っていただき、一定の反応・評価を得られたものと考えております。また、特に興味を持っていただいた方々には、最 近掲載された関連研究のジャーナルの情報を提供しました。

3)出席した成果
自分の 発表セッ ション以 外では、 口頭セッ ションの ”Physical Sensors and Sensor Systems”,”Wearable Physiological Monitoring I”,”Wearable Sensor Systems I”、ポスターセッションPoster Session I を聴講・質問しました。口頭セッションではカフレス血圧計測や呼吸計測の興味深い研究を聞くことができました。また、ポスターセッションでは、新しい研究テーマの立ち上げや現在の研究テーマを進めるための良い情報収集の場となりました。写真 2 に口頭セッション会場の様子を示します。聴講していたほとんどの会場が満員の状態でした。

4)その他
会議の歓迎レセプションでは、知り合いの日本人研究者から、他の研究者の方々を紹介していただき、人脈を広げることができました。発表、情報収集、人脈づくりなど充実した渡航となりました。次回の会議(EMBC’17、韓国)でも新たな研究成果が発表できるように頑張っていきたいと考えております。最後に、本国際会議参加のため旅費の一部を助成いただいた公益財団法人中谷医工計測技術振興財団に深く御礼申し上げます。