2017年[ 技術交流助成 (海外派遣) ] 成果報告 : 年報30号補刷

平成28年度 技術交流助成成果報告(海外派遣)・上村 圭亮

研究責任者

上村 圭亮

所属:大阪大学大学院 医学系研究科 運動器医工学治療学 大学院生

概要

会議等名称 第29回国際人工関節技術会議
開催地 アメリカ合衆国 ボストン
時期 平成 28 年 10 月 5 日~10 月 10 日

1)会議又は集会の概要
人工関節の普及に伴い、より機能的かつ長期耐用性のある人工関節の開発、普及を行うことを目標として ISTA(国際人工関節技術会議)は設立され、第一回学術集会は 1988 年にドイツのデュッセルドルフで開催された。以後年に 1 回学術集会が開催されており、毎年 2000 人を超える研究者が世界各国から参加している。

2)会議の研究テーマとその討論内容
会議では股関節、膝関節をはじめとする人工関節の治療成績や今後のよりよい成績を求めるための手術計画などの臨床的な面からの報告が医療サイドから行われ、新たなインプラントの開発や、解析装置の開発、という側面から技術者側や企業側からも発表がなされた。

3)出席した成果
今回、Change in Pelvic Sagittal Inclination From Supine to Standing Position Before Hip
Arthroplasty という題名にて一般論文の発表を行った。内容は、股関節手術の際に重要である仰臥位、立位における骨盤傾斜を CT 画像、レントゲン画像から全自動で計測するシステムを共著者とともに開発し、そのシステムを用いて過去に類をみない規模で仰臥位、立位における骨盤傾斜を測定した、というものであった。過去に同様の計測は多くの報告においてなされているものの、manual input を多量に要するため計測手技が煩雑であったのに対し、今回の手法では全自動で行うことができるため、その先進性や意義が評価され、Student biomechanics award を受賞させていただき、他の表彰された先生方とともに Award session で発表を行った。非常に多くの聴衆の前で討議を行うことができ、非常に有意義なものとなった。
今回の発表により、非常にハイレベルな討議をし、新しい知見を得ることができたことで、今後の研究、論文作成にフィードバックしていきたいと考える。

4)その他
今回発表の機会を与えていただきました指導教授の菅野伸彦先生、ならびに技術的協力をしていただいた共著者の先生方に深く感謝いたします。
また、発表に際し助成していただいた中谷医工計測技術振興財団様に厚く御礼申し上げます。ありがとうございました。