2017年[ 技術交流助成 (海外研修) ] 成果報告 : 年報30号補刷

平成27年度 技術交流助成成果報告(海外研修)・大黒 達也

研究責任者

大黒 達也

所属:東京大学大学院 医学系研究科 病態診断医学講座 客員研究員

概要

研修先名称 オックスフォード大学
研修地 Department of Experimental Psychology、Tinbergen Building、 9 South Parks Road、Oxford、OX1 3UD England
期間 平成 28 年 6 月 1 日~10 月 26 日

1)研修中に実施した研究テーマ
反復経頭蓋磁気刺激法と脳機能イメージング計測技術(EEG、MEG、EMG、MRI)を用いた、ヒトの感覚運動制御機能の神経生理学的客観評価法を習得する。

2)研修期間中の研究成果
まず、本研究プロジェクトに合わせて、グループ長の Dr.Riikka Mottonen が新しい機器を購入した。研修先の計測技術を用いている研究室は世界的にも非常に少なく、特に私の研究分野であるヒトの認知機能の研究において、この計測技術を習得するためには、研修先の研究室が最も適していた。しかし、解析評価法などは、未だ他の分野に比べて確立されておらず、試行錯誤を繰り返しながら研究を行った。申請者が主に、使用方法や解析法を学び、それを研究室のメンバーに報告する仕事を行った。
これまでは、事象関連電位(ERP)を用いた報告しか行われていなかったが、私は周波数解析に注目した結果、新しい所見が得られた。現在、その結果をもとに第一筆者として論文提出準備中である。
本研究プロジェクトは英国でニュースになり Web でも公開されている(http://rogue-resolutions. com/news/new-integrated-tms-eeg-system-installed-university-oxford/)。さらに新しく取得した実験データに関しては、今後も共同研究として継続していくことになっている。

3)その他
英国就労ビザの期間終了日 11 月 9 日にて任期は切れるが、研究グループ長の Dr.Riikka Mottonen と今後も共同研究を続けて行くことなどを話し合っていた。そして、オックスフォード大学での任期中にドイツのマックスプランク研究所からお話しを頂き、12 月から博士研究員として 3 年間ドイツへ渡ることになり、オックスフォード大学との本研究プロジェクトに関する共同研究は物理的に実現可能となった。
現在、解析が終わったデータに関しては、論文提出準備中である。また、それとは別に新しく取得した実験データに関しては、被験者数がまだ足りないことから、今後は共同研究として徐々にデータを取っていくつもりである。