2015年[ 技術開発研究助成 (開発研究) ] 成果報告 : 年報第29号

共役高分子蛍光プローブによる細胞イメージング法の開発

研究責任者

鬼村 謙二郎

所属:山口大学大学院 理工学研究科 准教授

概要

1.はじめに
 蛍光プローブは標的分子との反応により蛍光強度や波長等の蛍光特性が変化する機能を有する蛍光色素である。この蛍光プローブを利用した『バイオイメージング法』は細胞の表面や細胞内に存在するイオン、蛋白質や酵素などの生理活性物質やDNAやRNAなどの遺伝子情報分子の体内における役割や挙動を解析することができるため、極めて有効な手段である。これまでに開発、臨床応用されている蛍光プローブは低分子化合物が一般的である。標的分子認識部位と標的分子が1対1で相互作用を起こし蛍光を発するため、標的分子の濃度が低い場合、蛍光発光するプローブが少なくなり検出感度が下がる。
 本研究では検出感度の向上を目指し、高分子に存在する分子認識部位に標的分子が相互作用することで高分子主鎖のコンホメーション変化を起こし、また共役高分子を利用することで高分子内の電子移動を経て複数の蛍光発光部位での発光ができる『高分子増幅型蛍光プローブ』の開発を目的としている。
 一方、芳香族アミン基を含むカルバゾールは強いUV吸収スペクトルを有しているだけでなく、テトラシアノエチレンやトリニトロベンゼンのような電子アクセプターへの電子移動に関する研究において、強い電子ドナー性分子として用いられてきた1)、2)。
 カルバゾール部位を側鎖または主鎖に有するポリマーが高い光伝導性を示す。特にカルバゾール部位を側鎖に有するpoly(N-ビニルカルバゾール)は始めてのポリマー性光伝導体として報告され、1957年ごろから電子写真感光体材料として用いられている3)。またpoly(N-ビニルカルバゾール)は印加電界下において優れたホール移動特性を示すため、ELポリマー層のホール注入材料として広く用いられてきた4)~6)。またカルバゾールを主鎖に有するpoly(N-アルキルカルバゾール)は優れた溶解性と発光特性を示すことから、ELデバイスの発光層として用いられている7)~9)。
 近年、カルバゾールを主鎖に有するポリマーの合成が数多く行われており、カルバゾールの結合位置の差異により得られるポリマーの光学、電気特性が大きく変化することが報告されている。これまで報告されてきたカルバゾールポリマーの多くは、主鎖が3,6-位で結合しているpoly(N-置換-3,6-カルバゾール)である。カルバゾール誘導体の合成が容易であることから、単独重合や共重合が数多く行われ、得られるポリマーは比較的短い有効共役鎖長にもかかわらず、poly(N-置換-3,6-カルバゾール)は電気化学10)~12)、エレクトロクロミック13)~14)、発光15)~16)、光屈折17)などの興味深い特性を示してきた。他方で、主鎖が2,7-位で結合しているpoly(N-置換-2,7-カルバゾール)はより剛直で直鎖型な構造を有しているため、poly(N-置換-3,6-カルバゾール)と比較して有効共役鎖長が伸び、エネルギー準位の低下につながる18)~20)。そのため、より優れた正孔輸送材料として期待されている。
 本研究では検出感度の向上を目指し、高分子に存在する分子認識部位に標的分子が相互作用することで高分子主鎖のコンホメーション変化を起こし、また共役高分子を利用することで高分子内の電子移動を経て複数の蛍光発光部位での発光ができる『高分子増幅型蛍光プローブ』の開発を目的としている。

2.実験方法:蛍光発光高分子の合成
2.1 モノマーの合成
 3,6-ジハライドカルバゾール誘導体および3,6-ジブロモカルバゾール誘導体は式1の合成ルートにて合成した。

2.2 山本カップリング重合
 共役高分子の合成はニッケル触媒を用いた山本カップリング重合により行った。

2.2.1 poly(3,6-MCz)の合成 
 シュレンク管に3,6-DBrMCz (0.272 g, 0.40 mmol)、COD (0.0991 g, 0.92 mmol)、bipyridyl (0.141 g, 0.90 mmol)、Ni(COD)2 (0.330 g, 1.2 mmol)、乾燥DMF (3 mL)、乾燥Toluene (3 mL)を加え、窒素置換し、80 °C で72時間加熱した。室温に戻し、ジエチルエーテルに注ぎ、析出した固体をガラスフィルターで濾過した。得られた濾物をCH2Cl2 (150 mL) で抽出し1N HCl で洗浄した。その後無水硫酸マグネシウムを用いて脱水後、減圧濃縮を行い、残渣に微量のTHF を加えて溶解させ、大過剰のMeOH に滴下した。析出した沈殿物を濾過し、2日間真空乾燥した。

2.2.2 poly(CHMI-co-3,6-MCz)の合成
 シュレンク管にDICHMI (0.172 g, 0.40 mmol)、3,6-DBrMCz (0.137 g, 0.40 mmol)、COD (0.0993 g,0.92 mmol) 、bipyridyl (0.142 g, 0.91 mmol) 、Ni(COD)2 (0.333 g, 1.2 mmol)、乾燥DMF (3 mL)、乾燥Toluene (3 mL)を加え、窒素置換し、80 °C で72 時間加熱した。室温に戻し、ジエチルエーテルに注ぎ、析出した固体をガラスフィルターで濾過した。得られた濾物をCH2Cl2 (150 mL)で抽出し1N HCl で洗浄した。その後無水硫酸マグネシウムを用いて脱水後、減圧濃縮を行い、残渣に微量のTHF を加えて溶解させ、大過剰のMeOH に滴下した。析出した沈殿物を濾過し、2日間真空乾燥した。

2.3 測定
 合成したモノマーや得られた共役高分子は以下の分析機器にて構造解析を行った。
 1H NMR (500 MHz)スペクトルは、重クロロホルム中、テトラメチルシラン (TMS)を内部標準として、JNM-LA500 (日本電子株式会社 ; JEOL Ltd.)で測定した。
 ポリマーの分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィー (GPC)により、ポンプ (LC-10AS、 島津製作所)、UV検出器 (SPD-10A、 245nm、 島津製作所)を備えた CHROMATOPAC C-R 7A plus (島津製作所)を使用した。直列に連なった4 本のカラムはHSG-40H、HSG-20H、HSG-15H、HSG-10H を使用した。THF (50 °C)を溶離液に用い、ポリスチレンを基準として換算した。
 UV-vis測定は、UV-1650PC (島津製作所)で測定した。測定セルは二面透過型10mm角型石英セルを使用した。
 蛍光測定は、FP-6300 (日本分光株式会社)で測定した。測定セルは四面透過型10mm角型石英セルを使用した。

3.実験結果と考察
3.1 共役高分子合成と特性
 カルバゾール側鎖の置換基による影響を調査するために同じ3,6-位にハロゲンを有する3,6-ジブロモ-N-メチルカルバゾールと3,6-ジヨード-N-ヘキシルカルバゾールの合成を行った。最初に、水素化ナトリウムを用いてカルバゾールのアルキル化を行った。さらにピリジン溶液中でNBSを用いてN-メチルカルバゾールのジブロモ化を行った。生成物はオープンカラムクロマトグラフィーにより精製し、3,6-ジブロモ-N-メチル-カルバゾールを得た。一方、N-ヘキシルカルバゾールは酢酸中でヨウ化カリウムとヨウ素酸カリウムを用いてジヨウ素化された。生成物は再結晶により精製され、3,6-ジヨード-N-ヘキシル-カルバゾールを得た。さらに、得られたコポリマーの発光特性を検討するために、モデル化合物の合成を行った。DICHMI と3,6-DIHCz のモデル化合物は文献を参考に、カルバゾールから4ステップを経て合成した。まずカルバゾールは3,6-DIHCz と同様にアルキル化を行った。次にN-ヘキシルカルバゾールはNBS を用いてモノブロモ化を行い3-ブロモ-N-ヘキシルカルバゾールを得た。この際、生成物は精製を行わず次の反応に用いた。N-ヘキシルカルバゾール-3-ボロン酸は3-ブロモ-N-ヘキシルカルバゾールからn-BuLi とtriisopropyl borate を用いて合成した。そしてPd(PPh3)4 を触媒として、N-ヘキシルカルバゾール-3-ボロン酸とDICHMI との鈴木-宮浦カップリング反応を行い、2,3-ビス(N-ヘキシルカルバゾリル-3-イル)-N-シクロヘキシルマレイミドを得た。次に3,6-位のカルバゾールと比較するために2,7-ジブロモ-N-ヘキシルカルバゾールを合成した。2,7-ジブロモカルバゾールは文献を参考にして得られ、上記のカルバゾールと同様にアルキル化を行い合成した。
 全てのポリマーはBis(1,5-cyclooctadiene) nickel、1,5-cyclooctadiene、2,2’-bipyridyl を用いた山本カップリング反応によって合成した。共重合はモノマーの組成比を変えて行った。重合終了後、残渣を1N HCl を用いて洗浄することによりニッケル試薬を取り除いた。さらに残渣を過剰のMeOH に加えることにより精製した。DICHMI と各ジハライドカルバゾール誘導体との共重合結果を表1に示す。
 各コポリマーのCHMIユニットの存在率を1H NMRスペクトルから算出し、その値をMIcont.と定めた。例えば、モノマーの仕込み比がDICHMI/3,6-DBrMCz = 0.40/0.40 [mol/mol]のときのコポリマーの1H NMRスペクトルを図2 に示す。3.4-4.3 ppmにCHMI のシクロヘキシル基の1位に起因するピーク (a)と、3,6-MCz のメチル基の3Hに起因するピーク (b)の出現、および7.3-7.5、7.6-8.0、8.1-8.6 ppm にそれぞれ3,6-MCz の芳香族環に起因する6H のピークの出現より共重合が起こっていると示唆された。他のコポリマーも同様に確認した。
 poly(CHMI-co-3,6-MCz)では、CHMIユニットの存在比が多い結果が得られた。これは、3,6-DBrMCz の溶解性が低く、そのため重合に影響が生じたと考えられる。そのため、3,6-DBrMCzの組成の増加に伴い、得られるコポリマーの数平均分子量 (Mn) が低下した。一方poly(CHMI-co-3,6-HCz) では、数平均分子量は3,6-DIHCzの仕込み比が増えるにつれて増加する傾向が見られ、poly(CHMI-co-3,6-HCz)と比較して、2300~7300 の程よいMn のコポリマーが得られた(表1, Runs 6~9)。この結果はカルバゾールの側鎖をメチル基からn-ヘキシル基に変えることによる溶解性の改善によるものである。また、モノマーの仕込み比が0.40/0.40 [mol/mol]のときMIcont.は48%であった。一方、仕込み比の傾きによってMIcont.の値は大きく変化した。3,6-DIHCz との重合結果より、2,7-DBrHCz との共重合はマレイミド、カルバゾールユニットを均等に主鎖に導入することができるモノマー仕込み日0.40/0.40[mmol/mmol] の条件で行った。poly(CHMI-co-2,7-HCz) の収率はpoly(CHMI-co-3,6-HCz) と比較して高くなった(Runs 7、10)。しかしコポリマーのMIcont.値は低い結果が得られた。他方で、鳥光達は以前に高い分子量を有するpoly(N-アルキル-3,6-カルバゾール)の合成を報告している。MIcont.値の改善を目的として、鳥光達の重合法を基にDICHMI と2,7-DbrHCz との共重合を行った結果、コポリマーのMIcont.値は前述の重合法と比較して増加した。この重合結果は、加熱されたニッケル試薬溶液にモノマー溶液を添加することにより、低反応性の要因であるジニッケル置換錯体の形成を防ぐことができたことが要因として考えられる。

3.2 コポリマーの光学特性
 THF溶液中における各ポリマーとモデル化合物のUV-vis、PLスペクトル測定を行った (濃度:2.5 × 10-5 M)。各ポリマーとモデル化合物の測定結果を図3~5 に示し、各結果を表2 にまとめた。
 各poly(CHMI-co-3,6-MCz)のUV-vis、PLスペクトルを図3 に示す。コポリマーは306 ~ 310 nm 付近にカルボニル基のn-π*遷移や芳香族環のπ-π*遷移に起因する吸収ピークが観測された。さらにRuns 2 ~ 4 では、454 ~ 474 nm に主鎖の共役鎖長に起因する吸収ピークが観測された。PLスペクトルにおいて、DICHMI のホモポリマーは発光特性を示さなかった。PLスペクトルにおいて、コポリマーは422 ~ 424、590 ~ 595 nm 付近に2つの蛍光ピークを示した。長波長側の蛍光ピークはMIcont の値が高いRuns 2、3 のみ出現した。また蛍光写真より、短波長領域にのみ蛍光ピークを示したRuns4、5 では青色、長波長側の蛍光ピークも示したRuns 2、3 では赤色の蛍光発光色を示した。以上のことから、poly(CHMI-co-3,6-MCz)の発光色は長波長側の蛍光ピーク強度の強弱に依存していることが示唆された。
 poly(CHMI-co-3,6-HCz)のUV-vis、PLスペクトルを図4 に示す。poly(CHMI-co-3,6-HCz) はpoly(CHMI-co-3,6-MCz)と似たような307 ~ 318nm 付近にカルボニル基のn-π*遷移や芳香族環のπ-π*遷移に起因する吸収ピークと、441 ~ 465 nm付近に主鎖の共役鎖長に起因する吸収ピークが観測された。
 次に、poly(CHMI-co-2,7-HCz)のUV-vis、PL スペクトルを図5 に示す。poly(2,7-HCz)は341 nm にπ-共役主鎖のπ-π*遷移に起因する吸収ピークを示した。各コポリマーは295 nm 付近にカルボニル基のn-π*遷移や芳香族環のπ-π*遷移に起因するショルダーピークと、355 ~ 359 nm 付近に単独重合体と類似した吸収ピークが見られた。さらに、コポリマーは386 ~ 414 nm付近にショルダーピークを示した。ホモポリマーでは観測されなかったこれらのショルダーピークは、ポリマー鎖内のCHMI-HCz による共役鎖長のπ-π*遷移に起因すると示唆される。

3.3 コポリマーの蛍光ソルバトクロミズム
 poly(CHMI-co-2,7-HCz) (Runs 12, 13)の発光特性は測定溶媒をTHF からDMF に変更することにより大きく変化した。Run 12 のTHF またはDMF 中におけるUV-vis、PLスペクトルを図6 に示す。UV-visスペクトルにおいて、各有機溶媒によるスペクトル波形の違いは見られなかった。一方PLスペクトルにおいて、DMF 中でのPLスペクトルはTHF中で観測された2番目の蛍光ピークが消失し、poly(2,7-HCz)に類似したスペクトル波形を示した。
 可視光下 (left)と近紫外光下 (right, 352 nm, 15W)におけるpoly(CHMI-co-2,7-HCz)のTHF 及びDMF溶液 (2.5×10-5 M)の写真を図7 に示す(表2、Run 12)。可視光下では、UV-visスペクトルと同様に溶液の色の変化は見られなかった。近紫外光化では、Run 12 はTHF 中では強いマゼンタ色を示したが、DMF 中ではホモポリマーに似た青色を示した。この蛍光ソルバトクロミズムは、THF からDMF という極性が強い溶媒中において長波長側のみの蛍光ピークが減少することにより生じた。
 この現象を明らかにするために、THF溶液に非極性溶媒としてn-ヘキサンを加えることによるPLスペクトルの変化を調査した。Run 12 のTHF-n-hexane混合溶液中おけるPLスペクトルを図8 に示す。n-ヘキサンの割合の増加にともない、583 nm の蛍光ピーク強度の増大が観測された。
 さらにTHF溶液に極性溶媒であるMeOH を加えることによるPLスペクトルの変化を調査した。Run 12 のTHF/MeOH混合溶液中におけるPLスペクトルを図9 に示す。
 THF/MeOH = 9/1 [mL/mL]中では583nm の蛍光ピークの著しく減少し、THF/MeOH = 5/5 [mL/mL]中では完全に消失した。
 以上の測定結果から、poly(CHMI-co-2,7-HCz)中のCHMI-HCzに起因する583nmの蛍光ピーク強度が測定溶媒の極性に依存することが明らかになった。この現象は、poly(CHMI-co-2,7-HCz) のCHMI-HCzユニットが励起過程においてねじれ型分子内電荷移動状態 (TICT)を形成していることに起因すると推測した。TICT は主に電子ドナー基とアクセプター基を有する分子で観測される。TICT を示す分子は極性溶媒中で、ドナーとアクセプター間で生じたねじれによる新たな発光バンドまたは消光を示す。本研究で得られたpoly(CHMI-co-2,7-HCz)はCHMI-HCz間のねじれにより583 nm の蛍光ピークが消光したと考えられる。

4.まとめ
 電子アクセプターとしてN-シクロヘキシルマレイミドを、電子ドナーとしてN-アルキルカルバゾールを有する共役コポリマーを山本カップリング反応によって合成した。コモノマーであるN-アルキルカルバゾールのジハロゲン化物として、3,6-ジブロモ-N-メチルカルバゾール (3,6-DIHCz)、3,6- ジヨード-N- ヘキシルカルバゾール(3,6-DIHCz) 、2,7-ジブロモ-N-ヘキシルカルバゾール (2,7-DBrHCz) を合成した。
 3,6-DBrMCz とのコポリマーでは、3,6-DBrMCzの低い溶解性が重合に影響を与えた。そのため3,6-DBrMCz の組成比の増加に伴い、得られたコポリマーの数平均分子量が低下する傾向が見られた。3,6-DIHCz との共重合では3,6-DBrMCz と比較して重合性が改善された。モノマー組成比1:1 に対してMIcont は48 %であり、モノマー組成比に一致する結果が得られた。2,7-DBrHCz では、モノマー組成比1:1 に対してMIcont は31 %と、モノマー組成比に対して低い結果となった。一方、重合条件を変更した場合、MIcont.は増大した。
 得られたコポリマーは短波長、長波長の二つの領域に蛍光ピークの出現が見られ、長波長領域でのピーク強度に依存して、観測される発光色は変化した。長波長領域での蛍光ピークは、モデル化合物である2,3-ビス(N-ヘキシルカルバゾリル-3-イル)-N-シクロヘキシルマレイミド (BHCzCHMI)の蛍光スペクトル測定結果より、CHMI-HCzユニット由来であることが分かった。さらに、2,7-DBrHCz とのコポリマーは測定溶媒を変更することによる蛍光ソルバトクロミズムを示した。この現象はpoly(CHMI-co-2,7-HCz)のCHMI-HCzユニットが極性溶媒中で励起過程においてTICT状態を形成していることに起因する、即ち低分子では起こらず高分子特有の現象と判断した。
 以上のことから、コモノマーの組成比や溶媒極性の変化により蛍光波長が制御可能な共役コポリマーを得ることができた。この共役高分子は有機溶媒を認識して色変化を示したことから、細胞やタンパク質等を認識して色変化を起こす、高分子蛍光増幅プローブの開発につながると期待される。